英国のEU離脱が国民投票で決定し、今、EUは混乱している。スコットランドは再び英国からの分離独立を掲げ、国民投票で独立を勝ち取り、EU加盟を希望している。ジブラルタル、スペインのカタルーニャ地方なども分離独立を目指し、EU離脱組もあちらこちらで名乗りを挙げている。
この様な中で、中国は英国のEU離脱を恐れて来た。
一つ目の理由は、中国は英国との緊密な関係を利用してEUの対中国政策を好転させようとしている事。
アジアで日米の圧力を受ける中国は経済的なチャンスをEUに求めている。この転換は中国の「一帯一路」戦略の主要な動力の一つとなっている。英国がEUを離脱すれば、中国のこの目論見は大きな打撃を受ける事になる。
二つ目は、英国は中国が巨大かつ参入の難しい欧州市場の重要なルートになっている事。
多くの中国企業が比較的自由な英国経済への投資を行っており、これを足掛かりに5億の潜在的消費者を持つ欧州市場への参入を計画している。近年、こうした戦略的な投資が制限されている中で、英国がEUのルートがなくなることは中国にとって打撃となる。
三つ目は、英国が人民元の国際化戦略における鍵であること。
ロンドンは世界の主要な金融センターとして、アジア以外の国への人民元を広める絶好の踏み台となっている。
人民元の国際化は中国の重要な目標の一つであり、人民元建ての国債の発行を可能にし、金融の推進力の増加を促し、外貨依存の脱却につながるのである。そうなれば、それは中国が世界金融に影響を及ぼす真の大国になることである。
今、英国がEUを離脱することにより、それは未知数となった。
この他、EUは中国にとって最大の貿易パートナーであり、英国が離脱することによりEUのみならず、世界経済の成長にも影響を及ぼす。
中国は輸出型の国であり、既に経済が減速を始めている中で大きな挑戦に迫られることになる。
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