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誰も書かなかった中東アラブ世界の情報・諜報機関。 CIAをモデルに、モサドがイランの機関に協力したという意外性。

面白い書評があったので紹介したい。
何処となく、ドロドロした国際情勢の分析を感じさせる本の題名である。

私の理解する所では、アメリカの同時多発テロ9.11以降、ほとんどの国際的事件には関連性がある。
つまり、それらの底辺では一本の線で繋がっているのである。それ故に、その一本の線の元が何であり、何処であり、誰であるかを見なければ、その先の目的が明確にならない。

 
  
柏原竜一『陰謀と虐殺――情報戦から読み解く悪の中東論』(ビジネス社)
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 CIA、モサド、MI6,KGB。そして中国の情報機関。
だいたい日本の読者にとって、世界のインテリジャンスへの興味と理解はこのあたりでとまり、たとえばインドやインドネシアやパキスタンに立派な情報機関が存在することは忘れているか、知らない。
 ジョン・ル・カレ、フレデリック・フォーサイス、マイケル・バーゾーハー、フリーマントルなどの諸作品は、西側と旧ソ連のスパイの暗闘が興味深く、かつサスペンスに富んだ物語として人口に膾炙されてきた。
 中東における情報機関については詳細がネグレクトされてきた。
 じつはアラブ諸国のインテリジャンス組織も、凄まじくパワフルで、陰謀が大好きで、政治の裏舞台を動かしている。イスラエルのモサドにも劣らない情報機関をもつのが、エジプト、サウジアラビア、イランなどである。
 おそらく本書は日本で初めて書かれた中東諸国のインテリジャンス機関と、その作戦の全貌の紹介である。この方面に関心がある読者ばかりか、世界政治に興味深い人々には必読の書でもある。
 イランにはSAVAKというCIAをモデルにした情報機関が全土くまなく、その監視の網の目を拡げていた。
 1953年のクーデター直後、ときのCIA長官ダレスは、イランに情報機関を設立するために専門家を派遣し、またイスラエルが協力した。シャーの時代のイランには、いまとなっては考えられないことが起きていた。
イスラエルにとってはイランの情報を通じて、中東全体の政治情報が把握できるという、したたかな計算があった。
 ところがASVAKは最初に「ソビエトと関係したツデー党、ついで反対勢力」にばかり焦点をしぼり、そのなかには「民族主義者、世俗政党、自由主義政党が含まれた」のである。

 ホメイニ革命後も、イランの情報機関が標的としたのは旧王制派、自由活動家など国内の反体制派だった。
「国内外の反対者と亡命者を特定し、根絶やしにすることに全力を傾けたのである。そのために、奇妙な話であるが、情報収集はおもな任務とはならなかった。この段階でイランの革命政権に、対外情報を提供していたのはパレスチナ解放戦線(PLO)であった。しかし、当時のソビエトのKGBが革命によって損なわれたイランとアメリカの関係をさらに悪化させるための手段として、この情報交換を用いて革命政権に不正確な情報を提供した」(97p)
 「ロシア革命の結果成立した革命政権を支えたのは、次の三つの組織である」としてKGB、GRU、そしてコミンテルンが挙げられるのだが、ホメイニ革命後のイランも、ソ連型にじつに酷似した情報機関を作った。
これは中国も同様で、対内、対外、そして国際謀略機関の三つの方面で別個の情報機関が必要であり、全体主義国家に共通する。

「アラブの春」は、西側のインテリジャンス機関の暗躍があった。
冷戦後の世界では、旧ソ連圏や東欧諸国に民主化運動を組織化させて燎原の火のような反政府運動としていったのは、西側のインテリジェンス機関の「活躍」(ロシアや中国から見れば「暗躍」)があった。
ところが、国際的な注目をあつめたのはジョージ・ソロスの「オープン・ソサイエティ」だった。
実質的な活動をなしていたのはNED(全米民主主義基金)という組織である。
 「1990年代のセルビア、ジョージア、ウクライナでの政変には、NEDを筆頭とする非政府組織が関与していた。2000年のセルビアにおけるミロセビッチの失脚、2003年ジョージアでもシュワルナゼ失脚、2014年のヤヌコビッチ失脚の背景には、アメリカを中心とする西側諸国の『民主化工作』があった。アラブの春もこうした政変で培われた技術がそのまま導入された結果であった」(228p)
 目から鱗の裏面史が連続する。
(以上、書評より)


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